『食キング』(しょくきんぐ・しょっきんぐ)は、土山しげるの漫画作品。続編『極食キング』についても併せて解説する。
メールで依頼を受け、多額の報酬を取って料理人として自信を失ったり本来の姿を忘れ客足の遠のいた飲食店を再建させる「再建請負人」、北方歳三。一見料理と何の関係もない奇抜な修行や激しい叱責を行いながらも、料理に対する真摯な姿勢に依頼人は心を打たれ、信頼関係の元で多くの店を再建させてきた。彼は函館一と呼ばれる老舗レストラン「五稜郭亭」の創業者北方清次郎の孫であり、自身も五稜郭亭の料理長として「伝説のシェフ」とまで呼ばれた男だったが、弟であるが料理よりも採算や利益などの数字しか重視しない精四郎と対立し、自分が身を引く形で五稜郭亭を離れた過去を持っていた。その後、再建請負人として全国を転々としていた北方だが、その中で精四郎が売上至上主義に従う人間だけに料理人をすげかえ、五稜郭亭の名を広めるために強引なチェーン展開を進めていることを知る。味へのこだわりと客のニーズに応える料理作りで名を築いた五稜郭亭が崩壊の危機にあることを悟った北方は、再び函館へと舞い戻るのであった。