『朱雀の紋章』(すざくのもんしょう)は、和田慎二による日本の漫画作品。1977年に『別冊マーガレット』(集英社)6月号に掲載された読み切り。探偵志望の青年・天知信乃が親友と共に大学の恩師を訪ねるも惨殺されており、その真相と朱雀家で起きる連続殺人事件の謎に挑む。
昭和7年、或る霧の夜。探偵志望の天知信乃(あまち しの)は親友の遠見大二郎(とおみ だいじろう)と共に大学の恩師である宮坂(みやさか)教授の自宅を目指して山道を歩いていたが、自他共に認める方向音痴で大二郎を巻き込み道に迷ってしまう。般若面の女に殺気を感じるが、何故か相手は逃げてしまう。大二郎も信乃に負けず劣らずの方向音痴であるため、埒が明かないので道を訪ねた。湖に面した崖の上に建つ豪邸は朱雀大吾(すざく だいご)という人物の屋敷だったが、「七鬼部(なおにべ)村」の恩師の家に辿り着くも一足遅く、何者かに殺されていた。毒物を無理矢理飲まされて部屋中を転げ回った挙げ句、両手首を切断されたのだ。内地に目を向けろと政府を批判したため、刺客を差し向けられたのは明白だった。