『蒼茫の大地、滅ぶ』(そうぼうのだいち ほろぶ)は、西村寿行が著した長編パニック・サスペンス小説である。田辺節雄により漫画化もされている。
1977年7月、幅10km、長さ20km、総重量1億9,500万tの飛蝗群が、日本海を越えて日本の青森県へ近づいてきた。空自のF-1による20機で威嚇したもののエンジンが飛蝗を吸い込み白神山地に墜落してしまう。岩木山付近に下りた飛蝗の群れは翌朝に活動を始め、津軽平野の田畑を食い荒らし、交通事故や列車事故まで引き起こす。蝗害が今後東北一帯に広がると考えた青森県知事・野上は、これから始まる混乱を収め蝗害に立ち向かうために、東北各県から1,000人ずつ、計6,000人の若者を集めての〈東北地方守備隊〉を結成する。しかし政府にとってこの守備隊の結成は、地方自治体に与えられた法律上の権限を越える行為と受け止められた。いっぽうで政府は日本国内にある備蓄米を全て都市部へ集めた上で配分する方針を立てる。6県の人口より東京都の人口が多いことも理由にし、東北地方の備蓄米まで接収しようとするが、五所川原市では接収にあたる県警機動隊を刑部ら守備隊と市民が追い返し、他県でも接収を阻止する。しかし青森県を中心に食料品、特に野菜が高騰する。