『サイクル野郎』(サイクルやろう)は荘司としおの漫画作品。1971年から1979年まで「少年キング」に連載された。単行本は少年画報社(ヒットコミックス)から、全37巻。現在にいたる自転車漫画というジャンルのさきがけを成している。
基本的には、丸井輪太郎・矢野陣太郎、そして男鹿半島以降は日高剣吾が自転車旅行で訪れた各地の人々の世話になりながら、あるいはトラブルに巻き込まれながら、見聞を重ねていくというものである。主人公・輪太郎が九死に一生を得るエピソードはいくつもあり、ナマハゲこと日高剣吾は後遺症が残るほどの重傷で日本一周をリタイヤするなど、実際の自転車ツーリングならばそこまではあり得ないだろうというほどの多くのエピソードを重ねながら、不自然さを感じさせないというところにベテラン・荘司としおの力量が存分に発揮されている。物語内の時間は2年あまりの経過ながら、8年もの長期連載の中でその時々の流行などが紹介されるなど、厳密にはズレが生じている。