『天人唐草』(てんにんからくさ)は、山岸凉子による日本の漫画。『週刊少女コミック』(小学館)に1979年に掲載された。山岸の代表的な短編作品の一つで、たびたび作品集の表題作になっている。
主人公の岡村響子(おかむら きょうこ)は幼少時のある日、見つけた可愛らしい花が「イヌフグリ」という名前であることを友人に教えられるが、なぜか笑われる。イヌフグリとは犬の睾丸を意味する名で、友人らは下ネタ扱いしていたからだ。その意味がわからなかった響子は、夕食の場で両親に「イヌフグリ」の意味を訊ねるが、母からは「その花は天人唐草と言った方が良い」と言われるのみで意味を教えてくれず、納得出来ない響子はしつこく意味を聞こうとしたところ、厳格な父から「女の子がそんなことを口にするな」と怒鳴られる。その後も父から事あるごとに叱られ、「失敗を恐れる」ようになる。