『我が名は狼』(わがなはうるふ)は、たがみよしひさによる日本の漫画。
各地を放浪する男・犬神内記が、父親の親友である高梨宗国が経営する「ペンションたかなし」に居候として転がり込む。内記はペンションに宿泊する女性客を次々に抱いていく女たらしだが、宗国の三女・聖は本気で内記に惚れてしまう。内記はそのことを認識しつつも、男女関係の意識の究極が結婚に尽きる時代である限り、最後まで責任はとれないとして、聖を抱くことも、聖に遠慮して女を抱かないこともしないまま日々を過ごしていた。しかし、やがて内記はお互いにまずいと思いながらも聖の姉である誠とも関係を持つようになり、聖と所帯を持つでもなく「たかなし」に居座り続けることは難しいことを指摘される。さらに、聖の存在がかつて亡くした女のことを乗り越えさせてくれるかもしれない、という趣旨のことを言われた内記は何事かに思いを馳せる素振りを見せ、持っていたバイクを売り、「たかなし」の金庫を漁って金を集めだした。その様子を目撃した「たかなし」の面々は内記が黙って出ていこうとしているのだと考え、そのことを聖に伝え後を追わせる。しかし内記が集めた金は新しいバイクのための頭金で、ローンも宗国に押し付けるつもりであった。「真剣に家を出ることを考え、そのために大きなバイクが必要だと思った」と言い訳がましく述べる内記はローン返済のため、今日も元気に「たかなし」で働くのであった。