『大日本天狗党絵詞』(だいにっぽんてんぐとうえことば)は、黒田硫黄による日本の漫画作品。講談社『月刊アフタヌーン』1994年10月号から1997年1月号まで連載された。全28話で、話数表記は「巻○○」である。単行本は全4巻が発行されている。現代日本を舞台に、幼い頃に天狗にさらわれたシノブと、日本を彼らの国に作り変えようと奔走する天狗たちを描く。作者の初連載作品であり、全編筆による作画が行なわれている。第1話が掲載された『月刊アフタヌーン』1994年10月号には、本編の前に「かみかくし 『大日本天狗党絵詞』の世界」と題する4点のカラー・イラストによる絵物語が掲載された。この作品は、単行本に収録されていない。
小学校の入学式をきっかけに人間社会から離れ、天狗の「師匠」とともに生活していたシノブは、ある日、自分の生家で自分の偽者である泥人形が、自分の名を名乗って生活していることを知る。シノブの偽者はもともと師匠が作ったものだったが、その泥人形に違和感を抱いた師匠は泥人形の生活を調べ始める。それは「師匠」が作ったものではなく、シノブの叔父の高間が、別の天狗に作らせた泥人形「しのぶ」であった。自分の泥人形に執着する高間は、自分の身の回りを嗅ぎまわっていた師匠を「邪眼」で追い払う。「邪眼」に怖気づいた師匠は、やがて天狗を引き寄せる力を持つ少女・幸南を利用し、天狗の権威復活のために「大日本天狗党」を作ることを決意する。