『陽だまりの樹』(ひだまりのき)は、手塚治虫による日本の長編漫画、またそれを原作とした舞台劇・テレビアニメ・テレビドラマ。
19世紀後半、欧米が市場を求めてアジアへ進出した世界状況で日本の安全保障を確保するには、天皇の権威を背景に江戸幕府を中心とする体制を再編し、国体を強化する必要があるとする東湖だが、その幕府は慣習に囚われた門閥で占められていた。東湖はこの状態を”シロアリ等々の虫に食い荒らされ、中身が腐って倒れる寸前の老木のようなもの”だとして「陽だまりの樹」と呼ぶ。閉塞状況を打開するものは青年の行動力以外にないとする東湖の言葉は、回天史詩の「三度死を決し」を愛唱する関東小藩の下級藩士であった伊武谷万二郎の胸に熱い思いを刻み込んだ。