『炎トリッパー』(ファイヤートリッパー)は、高橋留美子の短編漫画作品である。1983年に週刊少年サンデー増刊号に掲載された読みきり作品であり、『高橋留美子傑作短編集2』に収録されている。また1985年にはOVAとしてアニメが製作され、一部地方テレビ局においてオンエアもなされた。なお本作品は、二重のタイム・パラドックスが展開されるなど一部SF的なものとなっているが、セーラー服姿の現代人の少女が戦国時代にタイムスリップするプロットは、後の高橋留美子による長編作品『犬夜叉』と共通している。
17歳の高校生涼子(すずこ)は、近所にすむ少年周平とともにある日の夕方、ガス爆発事故に巻き込まれる。涼子が気付くと、そこは無数の屍が転がる戦国時代の合戦場。野盗に襲われた涼子は、戦国時代の16歳の少年宿丸に助けられる。「嫁」として宿丸の村に連れて行かれた涼子は、宿丸の家の着物の中に周平が着ていた洋服を見つけ、周平も戦国時代に来ていると知る。涼子は宿丸とともに周平を毎日のように探し回るうち、宿丸に惹かれるようになっていく。