『亡国のイージス』(ぼうこくのイージス)は、1999年に講談社から刊行された福井晴敏の小説である。本作品を原作に、映画(2005年公開)や漫画などメディアミックス展開されている。
はたかぜ型ミサイル護衛艦「いそかぜ」とたちかぜ型ミサイル護衛艦「うらかぜ」から成る海上自衛隊第3護衛隊群第65護衛隊[注 1]は、訓練のため呉地方隊を出港し、太平洋の訓練海域へ向かっていた。「いそかぜ」は大規模改修が行われてミニ・イージスシステムが搭載され、TMD対応イージス艦の一番艦となったばかりだった上、幹部がほぼ全員交代しており、練度が低い状態だったが、海上訓練指導隊 (FTG) から受け入れ監査を受けなければならなかった。「いそかぜ」先任伍長の仙石は、イージスシステムの経験者として異動してきた如月一士や、独身者揃いの幹部たちの不自然な様子に気づく。如月も、自らの「目的」のためとは言え、同僚や仙石たちに接近する。特に仙石に対しては絵画を通じて心を開いていく。