『まるいち的風景』(まるいちてきふうけい)は、柳原望による日本のロボット漫画作品。1995年、『ルナティックララ』(白泉社)に掲載。以後、同誌や『LaLa』『LaLaDX』(いずれも白泉社)などに一話完結で不定期に掲載された。2001年1月号に掲載されたのを最後に事実上の打ち切り状態となるが、2008年7月に発売された文庫版に描き下ろしの最終話を発表して完結した。
大学生の有里幸太は、高校生の頃に母が死んで以来、義絶状態にあった父が亡くなったと知らせを受ける。葬儀後、彼の前に現われた家電メーカーKAMATA&Co.Ltd(以後、KAMATAと省略)の技術者・美月ななこに頼まれ、幸太は父の跡を継いで、発売前の新製品ロボット・まるいちのモニターを続けることを渋々承諾する。幸太はまるいちとの生活を始めるが、登録した行動を愚直に再現するだけのまるいちは、幸太のイメージ通りに動かない事ばかり。業を煮やした幸太の前に、再び美月が現れ、モニターされていた100体のまるいちのうち1体が盗難事件に利用されたため、回収することになったと告げる。成り行きから美月の犯人探しを手伝う事となった幸太は、まるいちの行動を観察するうち、再現する行動には父の自分への思いが込められていたことを知る。そして、まるいちへの反感の込められたある一言をきっかけに、まるいちを操ったキーワードと盗難事件の犯人を探し当てる。