『土漠の花』(どばくのはな)は、月村了衛の小説。2014年2月号から2014年8月号にかけて雑誌『papyrus』に連載した「ソマリアの血、土漠の花」を単行本化にあたり、改題・加筆・修正され、2014年9月に幻冬舎から刊行された。
陸上自衛隊第1空挺団の精鋭たち12人が、ソマリアの国境付近で、墜落ヘリの捜索救助にあたっていた。その野営地に、ビヨマール・カダン氏族の氏族長の娘アスキラ・エミルが駆け込んできた。以前からいさかいのあったワーズデーン氏族が、ビヨマール・カダン氏族を皆殺しにしようと街を襲ったので、アスキラは逃げてきたと言う。捜索援助隊隊長の吉松勘太郎3尉は、避難民として保護する約束をするが、その直後に、兵士達の襲撃を受け、吉松隊長含め4名が命を落とす。残りの自衛隊員も捕虜になる。偶然、小銃を持って小便に行っていた市ノ瀬浩太1士が銃撃することにより、自衛隊員は1名を失うが、脱出に成功する。生存できたのは、友永曹長、新開曹長、朝比奈1曹、由利1曹、津久田2曹、梶谷士長、市ノ瀬1士、アスキラの8名となった。