『銀河英雄伝説外伝 黄金の翼 [生原稿ver.]』は田中芳樹による日本の漫画作品。原作は道原かつみ。
『銀河英雄伝説』誕生40周年 記念企画今を遡ること40年前、1982年に刊行されたのが、『銀河英雄伝説』です。1979年に「SFアドベンチャー」というSF専門誌を創刊した当時の徳間書店では、新書ノベルズでの新人の発掘に力を注いでいました。その中で刊行されたのが『銀河英雄伝説』の最初の巻です。原作者 田中芳樹は、1981年に李家豊(りのいえ ゆたか)名義で、初めての著書となる長編冒険小説『白夜の弔鐘』を発表しましたが、筆名を改めて描き下ろしで発表したのが、この『銀河英雄伝説』でした。当初は巻数表記の【1】もないまま単発で刊行されたものの、メールもSNSもまだない時代ながら口コミでその面白さは拡散し、重版を重ねるなかで【1】という巻数表記が生まれ、今日に続く人気大河小説へと変貌してゆきました。本書の元にもなった『黄金の翼』は、1987年後半に全10巻で完結する本伝小説のうち、7巻までしか発売されていなかった1986年に、道原かつみがアニメージュコミックスで描き下ろした『銀河英雄伝説』の最初のメディアミックス企画となります。SFコミック誌と冠して、「SFアドベンチャー」と同年に創刊された「リュウ」誌上で、『パンドラの惑星』『ノリ・メ・タンゲレ』『キャウ・キャット・キャン』などのSFマンガを発表していた道原かつみは、徳間書店のリュウ編集部を訪れた折に、『銀河英雄伝説』の外伝がマンガ原作として準備されていることを聞き、純粋な『銀英伝』ファンとして「自分が描く!」と宣言し、この描き下ろしに着手したそうです。まだアニメ化も実現していない、『銀英伝』誕生から2年目のことでした。これを契機に、道原かつみは、1988年から徳間書店の「少年キャプテン」で本伝のマンガ化を開始いたします。雑誌掲載を経ずに描き下ろされた作品のため、当時の活版印刷ではご法度であった「薄墨」が多用された手描き原稿を、今回は[生原稿ver.]と題し、鉛筆線やネームの陰影などを活かしながら、初のB5判で、生原稿の風合いとともにお届けいたします。さらに、原作となる短編小説『黄金の翼』も初めて同時収録。若きラインハルトとキルヒアイスの出会いから、ともに宇宙の覇者を目指した躍動の日々を、多重的なかたちでお楽しみいただける、『銀河英雄伝説』誕生40周年を記念するに相応しい豪華仕様となります。また、本伝完結直後に出版された「SFアドベンチャー増刊 銀河英雄伝説 特集号」で道原かつみが描いた、カラーイラストや自由惑星同盟人物紹介画ほか、道原自身がファンとして創作した同人誌で発表し、のちにファンアンソロジー「全艦出撃!」にも収められたバラエティ作品も収録します。さらには田中芳樹の手描きコメント、道原かつみへの新規Q&A記事も収録予定です。またとない豪華記念企画です。貴重なこの機会をどうぞお見逃しなく!(c)田中芳樹/道原かつみ協力:らいとすたっふ