『燃えよ剣』(もえよけん)は、司馬遼太郎の歴史小説。『週刊文春』誌上で、1962年(昭和37年)11月から1964年(昭和39年)3月にかけて連載、文藝春秋新社から1964年(昭和39年)3月に刊行された。
郷里ではその男を「バラガキのトシ」と呼んだ―――武州多摩郡石田村の豪農の子・歳三は、若年の頃より喧嘩と女遊びに明け暮れる日々を送った。剣術は近在の天然理心流の道場「試衛館」で目録を得る腕前で、風体も秀麗な面立ちに切れ長の眼を持つ優男ぶり。他流派とのいざこざが起これば狡猾なまでの作戦をひねり出して敵を木っ端みじんに叩きのめし、一方で良い女を見とめれば夜這いをかけて虜にさせる。喧嘩と女とはどちらも血の匂いがするという意味でこの男にとって同一のものであり、ふつふつと魂をたぎらせるそれらを求め、「鬼足」と言われた早足で里中を奔り回る。剽悍無類の坂東武者の末裔である「土方」の隠し姓は伊達ではなく、三百年来の泰平で惰弱になったそこらの武士など到底及ばぬ糞度胸を持つ若造は、茨のようにうかつに触れれば怪我をする「バラガキ」として、里で知らぬ者はなかった。
将軍警護の為に組織された「浪士組」。しかし、発起人の清河八郎は京都に着くや否や尊王攘夷の為に動くことを宣言する。将軍への背信に憤慨した芹沢鴨は、土方たち試衛館一門と共に浪士組から袂を分かつことになる。最強の剣客集団を目指す土方歳三の、組織の実権を掌握する為の戦いが始まる。
▼ 言語(Language) |
English | : | Moeyo Ken | 한국어 | : | 타올라라 검 | Japanese | : | moeyoken |
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