『初茸がり』 (はつたけがり)は、つげ義春が1966年4月に「ガロ」4月号(青林堂)に発表した8頁からなる短編漫画作品。
シトシトと雨の降り続く日の夜に、正太は黙って窓の外を見ていた。すると、遠くの空の中ほどに一角だけ大粒の雨が降っているのが見えた。それはちょうど初茸の生える赤松の辺りだった。驚く正太に、祖父がバックの明暗でそう見えるだけだと説明し、早く寝るよう諭すが、翌日の初茸がりを思い床についたもののなかなか寝付けない。大きな柱時計の「カッチカッチ」という音が静かな雨の夜の部屋に響く。不思議そうに柱時計を見つめる正太。なぜ大きな柱時計があるのか不思議に思い、祖父に問いかけるが鼻ぢょうちんを出して寝ている。