『石の花』(いしのはな)は、坂口尚による日本の漫画。第二次世界大戦時、ナチス・ドイツの侵攻を受けたユーゴスラビアを舞台にした「戦争大河」作品で、極限状況にありながら理想を求める若者の生き様を描く。
スロベニア東北部のダーナスという小さな村に住む少年クリロと少女フィー。戦争の影を感じつつも平穏であった日々は、ドイツ軍の侵攻によって崩れる。フィーは強制収容所に連行され、労働と飢餓にさいなまれる。一方、クリロは大学生の兄イヴァンと落ち合うため、山中からザグレブへと向かい、イヴァンの関与していたゲリラ組織に身を投じる。やがてイヴァンとフィーの居所を掴んだクリロは、再びザグレブへと潜入するが、そこで明かされたのはイヴァンが実の兄でなくドイツ人との混血であり、さらにスパイとしてナチスに協力しているという事実であった。