『古本と少女』(ふるほんとしょうじょ)は、つげ義春による日本の漫画作品。1960年2月に『Meiro2』(若木書房)に発表された全20頁からなる短編漫画である。
貧乏な学生が馴染みの古本屋に1000円の初版本を毎日のように見に来ていた。学生はその本がほしくてたまらなかったが、買うことができずにいた。ある日いつものように古本を立ち読みしていると、本の隙間から1000円札が落ちた。学生はとっさにその1000円札を拾うと自宅へ逃げるように帰った。しかし、本来の持ち主に返すべきと考え古本屋へ向かう。その時ちょうど本の前の持ち主が現れ、買い戻そうとする。学生は拾った1000円札を出し、自分が先だと主張するが、前の持ち主は1500円を出し買い戻してしまう。学生は青年の態度に腹を立てる。学生は1000円をどうすべきか迷うが、結局本の持ち主に返そうと家を訪ねる。しかし、青年は本の間に金を入れた覚えはなく、逆に学生の居所を探していたという。あっけにとられる学生に、青年は「帰ればわかりますよ」とほほ笑む[1]。