「ホームズの帽子」(ホームズのぼうし)は、吸血鬼一族の物語を描いた萩尾望都のファンタジー漫画作品『ポーの一族』シリーズのうち、『別冊少女コミック』1975年11月号に掲載された短編作品である。
1934年、ロンドンにて、髪を長く伸ばしてシャーロック・ホームズの帽子をかぶったジョン・オービンが、バスの中で1人の少年に「長い髪だね、あなた人間?」「魔法使いの目をしてる」と声をかけられる。しかし、オービンは髪を切って「魔法使い」を廃業しようとするところであった。長年にわたり魔物の伝説を追い求め、髪の長い方が霊感が働くという理由で伸ばしてきたオービンは6年前、雑誌社のジェルソン社長の娘、イゾルデにプロポーズしたところ、「あなたが髪を切ったらね」と言われ、そのときは結婚を諦めたが、マック編集長から新刊誌『怪奇と幻想』の企画会議に誘われた際に降霊術師のクレイバスがイゾルデに言い寄っているとの話を聞き、いよいよ身を固めようと決心したのであった。