『累 -かさね-』は、松浦だるまによる日本の漫画、およびその映像作品。『イブニング』(講談社)にて、2013年10号から2018年17号まで連載された。醜い顔でありながら卓越した演技力をもつヒロインが、口づけをした相手と顔と声を入れ替えることができる口紅の力を使い、他人の顔を奪いながら舞台女優として活躍していく姿を描く。スピンオフ小説『誘 -いざな-』もあわせて記載する。
今は亡き伝説の女優・淵透世の娘・淵累は、亡き母とは似ても似つかない醜い容姿が原因で周囲の人間から心無い仕打ちを受け続けてきた。そんな累はある時、母が遺した一本の口紅に「口づけをした相手と顔を入れ替える力」があることを知る。その力を使って舞台に立った累は、母譲りの演技力を発揮して芝居の楽しさや美貌から得る喜びを覚えると同時に、母も他人の顔を奪って生きていたのだと直感する。