『九月病』はシギサワカヤ作の漫画作品。英語読みは「Sickness in september」。シギサワカヤが同人誌で発表した作品と新たな書き下ろし2作品を収録した上下2巻で構成される。
銀行に勤める伊坂広志は、仕事もでき、人当たりも良く容姿端麗。他人からは非の打ち所のない人間として見られるが心に深い傷と苦しみを持つ。そして、広志は実の妹である真鶴と関係を持ち、その事に罪悪感を抱きながらも夜な夜な関係を続けていく。そんな、二人の壊れた関係を知らない海老沢碧は広志の心の奥底にある深い苦しみに触れ、彼を救おうとして、自分もおかしくなっていく。後輩の幹本が広志に拒絶された夜。彼女は初めて彼の苦しみの一端を知り、犯される。抵抗をしようとすれば、できたはずなのにそれをしなかった。そして、幹本に「彼を好きになるのなら、例えば自分の体に火を放って彼の凍った心を溶かす覚悟がないと」と、告げる。