『模型の時代』(もけいのじだい)は、小松左京のSF短編小説。初出は『オール讀物』1968年1月号。
人工授精と人工子宮による胎児培養が社会的に軌道に乗り、育児・教育が家族ではなく社会によって行われるようになり、生産がすべてオートメ化し、労働時間がほとんどゼロになった時代。女は「母」であることをやめて「お人形あそび」に凝りだし、男はプラモデルの模型づくりに熱中するようになっていた。模型も次第に高性能になり、実用目的で使えるどころか、本物よりもはるかに高い実用性を持つものまで出回るようになっていた。人々はプラモデル製の“プラハブ”住宅に住み、街には原寸大のプラモデル・カーがあふれ、高さ120メートルの超高層ビルの模型が貸しビルとして使われていた。