『さくら子すみれ子』(さくらこすみれこ)は、わたなべまさこによる日本の漫画作品。集英社の『週刊マーガレット』の1965年30号(昭和40年 7月25日号)から1966年10号(昭和41年3月6日号)まで連載された[注釈 1]。
アメリカで牧場経営事業を持つ白鳥夫妻は、種馬探しを兼ねて九州阿蘇を訪れていたが、活火山の大噴火に巻き込まれてしまう。臨月の妊婦だった白鳥夫人千穂はそのショックで出産が始まってしまうが、偶然通りかかった帰省中の看護婦菊に助けられ、牧草を刈る季節のみ使われる草泊まりの小屋で、無事に双子の女児が誕生する。しかし白鳥夫人は双子につけたい名前を「さくら子…すみれ子…」とつぶやいた後、衰弱死。菊は、東京でひと月前に出産してすぐ子どもを亡くしていたので、双子にお乳を飲ませているうちに情が移ってしまい、一人を自分の子どもとして育てようと決心、翌朝迎えに来た白鳥氏とその両親には子どもを一人だけ渡す。しかし、自責の念にかられた菊は、阿蘇山中に住む元は軍医だった老父源造に、さくら子と名付けた子どもを託した後、火口に身を投げて自ら命を絶つ。源造は菊の残した書き置きに従ってさくら子を東京の白鳥家に返しに行こうとするが、娘を亡くした悲しみを癒してくれるさくら子を手放せなくなり、人里離れた山奥で育てるようになっていた。