株式会社春陽堂書店(しゅんようどうしょてん)は、日本の出版社。1878年(明治11年)に創業。東京神田和泉町での本の小売商売に始まる。岐阜県出身の創業者和田篤太郎は、西南戦争から帰還後に本を背負っての行商を始め、やがて芝・新桜田町に小さな書店を開き、1882年(明治15年)頃から出版に手を伸ばす。社長の和田篤太郎は木版画をこよなく愛しており、手の込んだ木版口絵を入れた華麗な本を出版することを自社の目標としていた。しかし、木版画は全て手作業で作られるため、大量生産が難しかった。逆に枚数が極端に少なくても良好な作品が出来上がらない。一作品につき初版三百部から五百部程度を刊行していた春陽堂では、単行本の発行部数と版木の関係がうまく取れていたおかげで優れた口絵が作り出されたといわれる。[1]